介護業界のM&A動向


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20171106

介護業界で生き残るための戦略としてのM&A

介護事業所や施設の経営は、今後ますます厳しくなっていくものと予想されていますし、多くの介護事業者でも感じているのではないでしょうか。そんな中で、最近M&Aによる解決を目指すという流れが出てきています。業界におけるM&Aの現状や動向について見てみましょう。

 

小規模介護事業者の厳しい現状

介護業界では、全国的に展開して様々なサービス形態を網羅している大手の法人がある一方、その地域に根差したローカルな事業者や、単一の施設だけを運営する法人など、小規模事業者が多いのが特徴です。

 

ただ、同じサービスから得られる報酬が決まっているという現状では、当然規模の大きな運営法人の方が効率的な運営ができるだけに経営的に有利になります。利益が出せる方が人件費や設備投資にも余裕ができ、職員や利用者を集めやすくなります。

 

小規模介護事業者が生き残る道は事業の拡大

小規模介護事業者が大手に対抗するためには独自色を出すしかありませんが、社会保険の理念から質の担保という問題があり、介護保険制度の枠内では規制も多く自由で独創的なサービスには限界もあります。

 

近年の介護報酬の改定状況を見ると、基本報酬が引き下げられ、加算を充実させて補っていくという方向性が強くなっています。質の良いサービスを提供してより報酬を得るためには体制の構築が必要で、そのためには規模の拡大を考えなければなりませんが、現状を維持するだけでも精一杯で時には進退を考えなければならない経営者も多いのではないでしょうか。

 

大手介護事業者の悩みも

一方、大手事業は比較的余裕があり、拡大しやすい状況ですが、人や地域との結びつきが強いというのもまた介護業界の特徴です。土地勘のない地域などで、自前で新規事業所を開設して人材と利用者を集めて事業を展開していくことの難しさも感じているようです。

 

大規模・小規模事業者を思惑が一致したM&A

小規模事業者が抱える課題、大規模事業者の事業拡大という思惑が一致した時の選択肢としてM&Aがあります。その多くは小規模事業者がそのまま吸収されるという形になるようです。小規模事業者にとっては、買収されてしまうとうことで不安もありますが、メリットも多くあります。

介護業界のM&A動向

例えば、経営層にとっては難しい職員の確保、資金繰りなどの悩みから解放されます。そこで仕事をしている職員にとっても福利厚生面や安定性、待遇面などで良くなる場合も多いようです。業務も効率化し、結果的にサービス向上にもつながります。

 

介護業界のM&Aは、特に2015年以降は増えているようで、その流れは今後も加速していくと見られています。

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