定年70歳の時代がそこまで来ている

20190206

8割以上が定年後も仕事を続けたいと考え、70歳までと考える人が最多。

転職サイト等を運営するエン・ジャパン株式会社が「ミドルの転職」利用者に対して行ったアンケート調査によると、定年後も8割以上の人が何らかの形で仕事を続けていきたいと考え、仕事を続けていくのであれば70歳までと考えている人が最多であることが分かりました。
ひと昔前までは、定年後には仕事を引退し、悠々自適な生活をしたいと考える人が多かったのではないでしょうか。そして、現在では平高年齢者雇用安定法により、少なくとも65歳までの雇用の確保が企業に義務付けられています(高年齢者雇用確保措置)。
しかし、今回の調査では70歳まで仕事を続けたいと考えている人が多いということが明らかになりました。さらに、75歳までと回答している人も65歳までと回答した人を上回っています。その背景にはどのような事情があるのでしょうか。

 

なぜ70歳まで働きたいという人が多いのか

70歳までは仕事をしたいと考える理由には、以下のようなものが考えられます。
・自分の持っている能力を発揮して収入を得たい
・子供の教育費や親の介護にかかる費用を捻出するため
・年金に対する不安
・定年後も仕事を継続することができる制度が整ってきている
・高齢者向けの求人や仕事が増えている
・雇用形態に捕らわれない多様な働き方がしやすくなってきている
・平均寿命と健康寿命が延び、60歳代ではまだまだ仕事ができるという意識がある
このように、様々な要因がありますが、金銭的な理由や生きがいのためというような個人的な事情だけではなく、定年後も仕事を続けやすくなってきたという社会的な変化も大きいのではないでしょうか。

定年後も働く

定年後も働くことのメリット・デメリット

定年後も仕事をすることで得られるメリットの多くは、仕事を続けたいという理由を解決するものにもなります。特に、様々な金銭的なメリットが大きいと言えるでしょう。
また、単に収入を得るというだけではなく、仕事は社会参加の機会を確保し、健康を維持するなどの効果もあります。
デメリットは、本来仕事をしないでももらえるはずの年金が減額等になる(収入によって変わります)、自由な時間が無くなる等があります。

 

デメリットは考え方次第でメリットにも

働き方については、定年前までの仕事をそのまま継続する場合や、転職をし、フルタイムで働くという方法がまずは考えられますが、多様な選択肢があります。
短時間などで仕事をするという選択もできますし、起業やフリーランスとして仕事をする方法も考えられます。
働き方が変わることで、デメリットの多くはその人の考え方によってデメリットとは言えなくなるものが多いのではないでしょうか。
そのため、定年後に仕事以外のことを積極的にするという目的がない限りは、どちらかというと定年後も仕事を続けるメリットの方が大きくなると考えられます。

 

年金はどうなる?

現在では65歳までの雇用継続が義務化され、多くの人がそれまでは仕事を続けたいと考えている理由は、年金の支給が65歳からに繰り下げられたということが大きいのではないでしょうか。なお、2019年時点では加入している年金の種類、生年月日、性別によって経過措置の期間がありますが、男性で昭和36年4月2日以降、女性で昭和41年4月2日以降に生まれた方は65歳からの支給に完全移行します。
いずれにしても、現在の制度では少なくとも65歳には年金を受給することができるわけです。

 

在職老齢年金により年金が減額される場合も

定年後、厚生年金を受給する年齢になり、厚生年金に加入しながら仕事を続ける場合、「在職老齢年金」という仕組みにより、一定以上の収入がある場合には支給される年金額が減額されていきます。収入が多い場合には全額支給停止となってしまいます。また、現在は経過期間中のために65歳未満と65歳以上の方で基準が異なります。
ただし、65歳以上で減額される場合には、それなりの収入が必要ですので、収入が多くない場合には心配の必要はないかもしれません。
在職老齢年金によって年金が減額される場合でも、70歳までは厚生年金に加入することができます。そのため、退職後や70歳以降に受け取る年金額が増えるというメリットもあります。
なお、70歳以降では厚生年金の加入者ではなくなりますが、在職老齢年金の制度は適用されてしまいます。

 

働き方によっては年金が減額されない場合も

在職老齢年金が適用となるのは厚生年金に加入している場合です。パートタイマーとして働く、自営業や個人事業主としてフリーランスで働くなどの場合、収入の多寡にかかわらず厚生年金が減額されることはありません。
一方、雇用の継続性や安定性という点ではデメリットもありますので、それまでに働き方に応じてよく検討されるのが良いのではないでしょうか。

 

年金の支給開始年齢を繰り下げることも可能

定年後も仕事を継続する場合、年金を受け取らないという方法もあります。これは「繰り下げ」と呼ばれるものです。年金の支給開始年齢である65歳の時点で、年金を受け取らない場合、70歳までは受け取らない期間に応じて後に受け取る年金が増額となります。
例えば、1年間遅らせて66歳から年金を受け取る場合には、8.4%増額されることになります。最大の70歳まで繰り下げた場合には、42%もの増額となるのです。
なお、1か月遅らせるごとに一定の割合増額されていき、厚生年金と国民年金を別にすることもできます。その時の収入や仕事の状況に応じて後から決めることも可能です。
仕事を続け、安定した収入があるうちは年金を受け取らない場合には、その後に大きなメリットがあるのです。
一方、繰り下げとは逆に繰り上げて60歳から年金を受給することもできますが、この場合には減額が行われます。
政府は70歳を超えた繰り下げを選択できる制度の検討をはじめたようです。その場合には更なる積み増しが可能となり、70歳以降でも仕事を続けたいと考える人もさらに増えるのではないでしょうか。

 

定年後も仕事を継続することの社会的意義

ここまで、年金との関係や経済面などの個人的な事情により定年後も仕事を続けることを見てきましたが、このように考える人が増えることは社会的にも大きな意義があります。

人手不足を補う人材として

労働力人口の減少が進むなか、人手不足を背景とした外国人労働者受入れ制度の見直し、女性の活躍の推進などの取組もされていますが、高齢者の活用も重要なものとされいてるため、定年後に仕事を続ける人が増えることは社会的にも期待されているものと言えます。

技術の継承

産業によっては技術を身に着けるためには長年の経験が必要となる仕事もあります。
人材の育成や、長年で培った技術を次世代にきちんと伝えていくためには、定年を迎えた人たちが活躍するのではないでしょうか。

税収の増加や社会保障費の抑制

仕事をし、収入を得ることで所得税や住民税を支払うことになり、健康保険、介護保険、年金などの保険料を負担することにもなります。税収は増加し、少子高齢化の進行により年々厳しくなる社会保障費の抑制にもつながります。
仕事をする高齢者が増えることで、国や自治体の財政悪化に歯止めをかけることができるのではないでしょうか。

健康寿命の延伸

仕事を続けることで規則正しい生活をし、身体を動かし、社会的な責任や役割を担うなど、健康の維持に寄与します。結果的に医療や介護などの抑制にもつながり、健康な高齢者が増えることは社会的に大きなメリットとなるのではいでしょうか。

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