AIでケアマネージャーを支援!


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20190409

AIでケアマネージャーを支援!対人援助の質向上の切り札

 

AI活用の流れが介護現場にも広がっています。

2018年にはケアマネージャーにとって中心的な業務であるケアプランの作成へのAIの活用がスタート。ケアマネージャーが対人援助や心のケアなど、人にしかできない業務に集中する環境づくりに役立つと注目を集めています。

 

2018年9月からは福岡市でAIを活用したケアマネージャー支援の実証実験も開始。AI活用の流れが急速に加速しています。

その背景やAIがケアマネージャーをサポートできる業務、実施されている実証実験について解説していきます。

 

AIによるケアマネージャー支援が始まった背景

 

介護を必要とする人口が急激に増加していく中、介護職の仕事量は膨大になっています。ケアマネージャーも例外ではなく、これからますます一人当たりが担当する件数は増えることが予想されるでしょう。

 

ケアマネージャーの業務の内、ケアプランの作成は大きな割合を占めます。ケアプランの作成に追われて利用者の相談に乗ることなど、対人援助に時間を充てることが難しくなっているのも現状です。

 

いわば本末転倒の状態になっているのを改善するためにAIによるケアプラン作成支援のアイディアが生まれてきました。そして、2018年10月には東京にある企業シーディーアイによってAIによるケアプラン作成支援ソフトが初めて一般向けに販売されています。

 

これからAIによるケアマネージャーの支援は加速していくことが予測されますが、その流れを作ったのはスマートフォンなどIT技術の一般への普及です。ITに対して抵抗感のあった介護現場でもメリットに目が向き始めたと言えるでしょう。

 

AIによるケアマネージャー支援とは?

 

AIによるケアマネージャーの支援はどのような形で行われるのかを説明します。

 

現状提供されているサービスでの、AIによるサポートの範囲はケアプランの作成に限られます。ケアプランの作成を効率化し、ケアマネージャーが他の業務に集中できるようにするのが主な狙いと言えるでしょう。

 

基本的な使い方は、利用者のADLや日常生活動作能力などを要介護認定項目に沿って入力すること。簡単に使えてすぐにケアプランを提案してくれることが魅力です。

 

介護を必要としている人それぞれに合わせたケアプランを作成するために、AIは膨大な量のケアプランやアセスメント結果を事前に学習。データベースに多くのケアプランを蓄積することによって、効果的なケアプランを提示することができます。

 

さらに、既に市販されているシーディーアイのケアプラン作成支援ソフトでは、AIが提案するケアプランを導入した場合のADLの改善度などをグラフで確認することが可能。

この機能によって、利用者の状態がどのように推移していくかを予測することやケアプランの比較も簡単に行えるようになります。

 

AIでケアマネージャーを支援するメリット

 

AIがケアプラン作成を担うことによるメリットは複数あります。

ケアマネージャーが他の業務に集中できること、ケアマネージャー全体の資質を上げること、AIの導入でより正確な分析が可能なことが主なメリット。

それぞれ見ていきましょう。

 

AIとケアマネージャーの分業化

 

最大のメリットはケアマネージャーの業務量を減らせることです。

今まで長い時間をかけていたケアプランの作成が短時間かつ効率的に完了することで、他の業務に時間と体力を充てることができるでしょう。

AIは計算や分析に強みを持つものの、対人援助分野ではまだまだ。

ケアマネージャーが対人援助に時間を費やせることで、サービスの質向上が望めるのも魅力です。

 

ケアマネージャー全体の資質向上

 

そして、ケアマネージャーの知識量や実力によるケアプランの質のバラつきを抑えられるのもメリットの一つ。

AIは蓄積されたケアプランのデータから適切なプランを提案するため、経験の浅いケアマネージャーでも的外れなケアプランを提案することが無くなるでしょう。

また、ケアプラン作成の時間を他の業務に充てられることで成長スピードが速くなる副次的効果も期待できます。

 

AIによる正確な分析

 

最後に、AIの強みでもある正確な分析力を生かす道もこれから開けてきます。

現状では蓄積されているデータも少ないです。

しかし、これから実験や現場での利用を通してデータが多く蓄積されれば、それだけ提案されるケアプランの精度も高まります。

また、現在ケアプランの提案のためにAIが使っているADLや日常生活動作能力以外の数値や健康状態についても分析に使えるようになる可能性もあるでしょう。

 

2018年9月から福岡市で実証実験が開始

 

福岡県でAIによるケアマネージャー支援システムを開発しているウェルモは、2018年9月から福岡市で実証実験を開始。ケアプランやアセスメントなどのデータを提供してくれる事業所を募集しています。

 

提供されるデータをAIに学習させてケアプランの提案精度などの向上を目指すのが目的で、提供された個人情報は匿名加工処理された状態で利用。実証実験に協力した事業所には実験結果を報告するとともに、ウェルモが提供するケアマネージャー支援システムを利用する際には割引価格が適用されます。

 

最後に

 

2018年9月には本格的な実証実験が福岡市で始まり、10月には初めて一般向けに販売が始まることで、AIによるケアマネージャー支援が本格化しました。

 

これから要介護人口が増える中でケアマネージャーの負担軽減は急務です。対人援助の質の向上のためにもAIが大きな役割を果たすことでしょう。

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