介護保険制度改正⑤~介護事業者が受ける影響~
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20171030
平成29年介護保険法改正が事業者に与える影響は?
ここまで平成29年の介護保険法改正について見てきましたが、これらが介護サービス事業者にとってどのような影響を与えるのか、また、それによって準備しなければならないこと、注意しなければならないことについて確認してみます。
保険者機能強化によって何が起こるか?
自治体等にとっても厳しい内容の改定ですが、それは介護サービス事業者にとっても同様です。まず、介護度の認定基準が厳しくなることから引き下げられるケースが多くなることが予想されます。ケアプランの内容まで行政が関与してくる可能性もありますし、実地指導がより一層厳しくなることも予想されます。
その結果、介護給付も減少し、事業者が得られる報酬も減ってしまいます。そのためには高度なサービスを提供して加算を多く取るための体制づくりや、人材確保などの経営上の工夫が必要になってくるでしょう。合わせて、今まで以上にコンプライアンスに気を付け、実地指導で指摘されるようなことがないようにしなければなりません。
共生型サービスのポイント
共生型サービスの創設は、今まで介護保険のみ提供してきたサービス事業者にとって、両方を提供していくことができるチャンスと捉えることが出来るのではないでしょうか。指定基準については詳細が出ていませんが、介護保険から障害福祉への参入の方が比較的容易だと考えられます。
一方、障害福祉サービスのみを提供してきた事業者にとっては介護保険の基準の方が厳しいうえに制約も多く、介護保険への乗り入れはハードルが高く感じられるのではないでしょうか。
いずれにしても、介護サービス事業者にとっては、地域ニーズ等を見ながら、障害福祉サービスを提供できるよう動向を探っておくと良いでしょう。
その他に介護事業者に影響があるもの
利用者定員が18人以下と少ない地域密着型通所介護の新規指定が難しくなることも考えられます。その区域内に同サービスの量が十分提供されている場合や、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護等がる場合です。新規に小規模なデイサービスの開設を考えている事業者は注意すべきポイントです。
これらの他、ケアマネージャー受験資格の対象者が狭められたことに対する経過措置の終了、福祉用具貸与価格の見直し、住宅改修の見直し、介護ロボットやICT活用の推進などもあるでしょう。なお、自己負担3割の導入では、利用が控えられるという所までは及ばないと考えられます。